お茶の生長記
お茶の花が開花。
去年の春にお茶の苗木を買ったもので、1年間生長を見守ってきたので感慨深い。
なぜお茶の木を買ったのかというと、飲み物としてのお茶への興味とパーマカルチャーに応用できないかと思ってのこと。
おととしは日本を離れていたこともあって自分の中でお茶への熱が高まっていて、アツアツのお茶を飲んでホッコリすることへの渇望があった。
日本を離れると甘くないストレートの渋いお茶を飲む文化はあまりないようで、お茶としてペットボトルに入っている飲み物はほとんどが砂糖を加えてあり、かなり甘かった。(それはそれで美味しいのだけれども)
あとはパーマカルチャーへ応用したいとの思い。
インドのオーロヴィルでパーマカルチャーの現場に触れて、日本版のパーマカルチャーに取り組んでいきたいと考えていて、日本の気候に適した植物をひととおり書き出していくと、そのひとつがお茶だった。
パーマカルチャーの森で感じたことは植生の多様性と立体感(高木から中高木、低木と空間を余すことなく植物があるような状態)だった。
日本の四季をとおして果樹や野菜を採取できるような森にするために、同じように高木から低木まで植える必要があると考えているが、お茶の木は刈り込むことで低木として樹高を抑えることができるし、日当たりが良いところを好むことから、森の南側の林縁部に植えるのに適していると考えている。秋には花も咲くことから養蜂の蜜源としても期待したいところ。
この1年間でお茶の木は無事にいまの土壌に馴染んだようなので、今年も購入してみた。
購入したのは下記URLの心向樹 (しんこうじゅ)さんです。
茶苗(一般) - 品種のお茶専門店 心向樹 日本茶 品種茶 通販 web
ちなみに昨年購入したのは
・印雑131
・いずみ
・そうふう
・やぶきた
・さえみどり
計 6種類
今年は
・さきみどり
・摩利支
・ふくみどり
・サンルージュ
・うじひかり
・はるみどり
・さみどり
・在来種
計 8種類を購入。
色々な品種を買ってみて、どの品種が土地に適しているかも見定めたいところ。
これからの生長が楽しみ♫
植える場所を計画しつつ森の手入れをせねばっ
それでは〜
たんぼ×森=たんぼフォレストリー
少し前の話、里山活動に参加しており、活動の集大成ということでレポートを提出する機会があった。
その時、ちょうど耕作放棄地を耕し、自然栽培で稲作をできないかと思いつき手当たりしだいに動いていた。
当時していく中で考えたことなどこの機会に記録しておこうと思う。
まだまだできていないことも多いが、活動していく中で確かな手ごたえは感じた。
いまは活動休止しているが(田んぼもおそらく元の放棄地状態に)、またいずれ戻り実践していきたい。
以下、レポート文
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たんぼ×森=たんぼフォレストリー
私がこれから活動していきたいこと、それはたんぼと森をともに育てることである。これをたんぼフォレストリーと名付けた。
アグロフォレストリーの手法に習い、たんぼと森をともに育てていきたいと考えている。たんぼフォレストリーはたんぼでの農業、森での林業、とそれぞれを分け隔てることなくひとつのフィールドという目線で一緒に育てていくことで、たんぼと森が持っている多面的機能を発揮し里山としての風景を守っていくことにも寄与すると考えている。
アグロフォレストリーはこれまで熱帯林地域で主に活用されてきたが、多様な樹種の存在が熱帯林地域ほど樹木の種類はないが、たんぼと組み合わせることにより多様な生態系を育て日本の温暖地域ならではの”たんぼフォレストリー”が可能だと考えている。
アグロフォレストリーとは
アグロフォレストリー(Agroforestry)とはアグリカルチャー(Agriculture:農業)とフォレストリー(Forestry:林業)を掛け合わせた造語であり、混農林業や森林農業などと訳されている。1950年代から南米地域を中心に始まった、森林破壊が背景となって主に熱帯林地域で実施され始めている。
アグロフォレストリーの特徴としては、ある土地に樹木または木本植物(果樹,香木,榔子類を含む)と農作物もしくは家畜をほぼ同時期に植栽したり、放牧したりする。そして樹木などの多年生植物の成長度合いに応じて、農作物栽培し、植物資源を常に保有しつつ土地を有効に利用し、生産するという点がある。
日本において伝統農法として焼畑農法があるが、継続的に植林、火入れ、栽培の循環が生まれているという点でこれもアグロフォレストリーの一例といえる。日本の焼畑農法では、焼畑の後数年間はソバ、ヒエ、ダイコン、カブ、サトイモ、マメなどを育て、さらにコウゾやミツマタなどを植えて換金性の高い植物で10年くらい利用した後、スギの植林を行うというスギの造林法がある。
アグロフォレストリーのメリット・デメリット
◎メリット
・複数の種類の農作物を同時に育てるので、単一作物の栽培価格変化による影響を受けづらい(ある種類が安くなってしまっても、他の作物を売ることで補える)
・森を育てるので、樹木と農作物の相性の良い組み合わせがあり、収量増加やその土地の効率的な活用ができる。
・森を育てることで落葉による栄養の循環が生まれる。
以上のメリットはアグロフォレストリーが実施されている熱帯林地域でのメリットであるが、私が考える一番大きなメリットは人と土地の交流地点になるということである。
私のたんぼフォレストリーの将来像としてはたんぼとして、森としてだけでなく、ビオトープや自然観察、人と人、自然と人との交流が生まれる場として価値が生まれるようにしたいと考えている。(稲作をしながら、時には果樹を取り樹木の下で休憩がてらお茶をするようなイメージ)
◎デメリット
・森を育てるので、収益を得るまで時間がかかる(植える植物にもよる)。
・多くの作物・樹木を育てるので管理が大変(知識と経験が必要)。
・従来の農業とは異なる手法なので、地域住民の理解が必要。
以上のデメリットの中で一番注意しなければならないのは地域住民への理解だと考えている。稲作目線で考えると一般的に行われている慣行農法(単一植物の栽培)では邪魔者扱いされてしまう植物が存在することになるので、周囲に気を配りながら地域住民の理解を得ることが非常に重要となる(田んぼの中に樹木が植わっていようものなら草刈りをサボっている。などと言われかねない)。
現在、アグロフォレストリー で多くの実績がある地域は、熱帯林地域であるが、地域の社会条件、土壌条件や気象条件、現地でのニーズ、何を求めているかによって、植える作物も樹種も、その組み合わせ方もさまざまである。木材やパルプ材を採取するのか、農作物を直射日光から守る庇陰樹とするのか、薪炭材とするのか、あるいは果実を採取するのか・・・目的によって植える樹種も多彩である。また農作物にしても、香辛料、嗜好料、薬草、繊維など選択肢は多岐にわたる。
住んでいる地域に合わせていくことのできる柔軟性、多様性こそが、アグロフォレストリーのおもしろさでもあり難しさと言われている。
アグロフォレストリー の特徴を活かしつつ、必要以上に手入れをしなくとも自然の成り行きにある程度任せ農作物を育てることができないかを考え、落葉による栄養の循環を促すことができるようにすることが、たんぼフォレストリーを継続していくうえでの目標だと考えている。
植える植物について
たんぼに適した樹木として耐水性、水はけの悪い場所での生長を重視する必要がある。
里山や湿地にごく普通に生えている植物のなかでも、食用でき有用となりうる植物を中心に調べたところ、果樹として、カキ・ベリー類の樹木、カキは、「桃栗三年柿八年」などと言われ収穫まで時間を要するが、湿地との適性や病害虫に強いとされている。
また、ベリー類樹木は、収穫までの期間が短く、また湿地に対応している樹種もある。さらにベリー類の近くにハッカを植えることでコンパニオンプランツとし、ベリー類の害虫防除を期待でき、より多様な植物相を形成することも考えられる。
落葉樹としては、ヤナギ・ハンノキ・カツラとし、これらは湿地を好む落葉樹であり、落葉した葉がやがて堆肥となり循環することが期待できる。
毎年 |
2〜3年 |
4年以上 |
イネ |
ベリー類 |
カキ |
クリ |
イチジク |
|
エダマメ |
|
たんぼフォレストリーまでの道のり
植物界の生長は非常に長い期間を要し、長い目で付き添っていかなければならない。
毎年収穫できる作物としてイネ、サトイモ、エダマメがあり、いずれも現在私が活動している田んぼでもほとんど人の手を加えることなく収穫することが出来た。
年数を重ねるごとに収穫できる作物が増え、ハンノキなどの落葉樹の木々が育つことで風景も生長するたんぼと森にし、その自然の成長を楽しみながら活動できると考える。
さいごに
私の中で、このたんぼフォレストリーの発想が生まれたきっかけとして、地元で農地転用されソーラーパネルの設置が進んでいることがある。昨今のソーラー発電ブームにより、農地だった場所にソーラーパネルが広がり景色が一変してしまう土地が増えてきた。見慣れた風景に現れた違和感、一度建設してしまったら元の農地に戻ることはないだろう。
一時的な世間の流行に流されることなく、たんぼや樹木の生長を見守り、風景を育て、地域の自然と関わり合いながら生きてていきたい。
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無肥料栽培ことはじめ
そもそも、無肥料栽培ってなに?
というところからはじまったぼくですが、これから月に1回9カ月にわたる講座で学んだことを今後実践するための備忘録として、残しておきます。
前回第1回目の記事はこちら
今回から本格的な講座開始。岡本よりたかさんが講師として登場!
岡本さんは元々IT業界に身をおいていたということで実践で得た知識・知恵を論理的に説明してくださる。深みのある説得力、目からウロコです。
今回の講座で特に印象に残ったのは、
・そもそも植物はなにからできているか
・ミネラルの循環
この2点について書き残しておきます。
・そもそも植物はなにからできているか
ざっくりと植物は
・炭水化物
・ミネラル
の3つから作られている。
(実際の講座では化学式など用いてきっちりと説明してくださりますが、あくまでざっくりと。。)
炭水化物とたんぱく質は植物自身が光合成をすることで作られるが、
ミネラルは作り出すことができない。
つまり、人間が植物を育てるうえで考える(手を加える)のはいかに
ミネラルを植物に与えるかというところ。
では、植物はミネラルをどこから吸収するかというと、、根っこから。
つまり人間は土づくりに集中すればOKということ。
どんな土にしたら良いのかというところで出てきたキーワードが
『団粒化』
植物がミネラルを効率よく吸収することができる状態が土の団粒化。
(土づくりはこれに尽きるとも思った。)
どうやって団粒化状態の土を作るかというのはまた追い追い。。
このあと、午後の畑で団粒化状態の土を触ったけど、ホロホロ状態の土だった。
さわっても手が汚れないのであります。
ミネラルの循環
ミネラルの重要性がわかったところでミネラルはどこから来るのかという話へ。
ミネラルはどこから来るか、、、答えは海から。(卵が先かニワトリが先かという話だけれども)
海の底に沈んでいたミネラルが、地殻変動により隆起して山を形成する。
そして、山へと移動したミネラルは雨で流れて、高地から低地へと広がって
川や地下水へと流れ込みやがては海へ行き、沈みまた海底へ…。
いま山や森、畑にあるミネラルもやがては海へと巡り巡っていく。
(悠久の時を経てミネラルは地球を循環しているのでした。壮大な地球という惑星としての時間軸の捉え方にハッとなった瞬間)
午前中はしっかりと座学。
そのほか
・そもそも植物はなにからできているか
・ミネラルの循環
・土はどうやってできているのか
を学んだところでお昼休憩
〜畑の設計について〜
午後は畑へ。
これから畑をはじめる時、畑を設計する時に
まず見るべきポイントは、畑の地形、それから風の流れを知ること。
・地形について
植物を育てるうえで大事なのはその土地が乾きやすいのか、水が溜まりやすいのか。
土地の状況に合わせて育てる野菜を決める。
・風の流れを知る
強い風が吹く方向を見極めて、防風すること。
なぜかというと、風が強いと植物は風に負けまいと抵抗して茎を太くしようとする。そうすると、茎に栄養を使ってしまい果実に栄養が回らなくなってしまう。
そのほか備忘録
・きゃべつは外側の葉を青虫に食べてもらうことで窒素を供給する。
外側の葉→青虫→青虫の糞→土→キャベツ
上記のようにキャベツの周りでも小さな循環が起きている。
その他の植物でも同じ様に昆虫との共存がある。
・植物は水やりで病気になりやすい。
水やりの時に気をつけるポイントは
水の跳ね返りに注意すること。水の跳ね返りにより雑菌が葉に付着してしまい病気になることが多い。
・岡本さんが緑肥として育てるのは
イネ科はソルゴー、マメ科はヘアリーベッチ、キク科はマリーゴールド、アブラナ科はからし菜。
・農薬についての理解
農薬は太陽光で分解する。(無毒化する)
(いままで何も知らずに農薬は悪って感じに嫌って恐れていたけど、
調べてみると必要以上に恐れすぎていたのかなと思った。)
http://www.jcpa.or.jp/qa/a2_05.html
最後に
講座での目標を書き残して有言実行するために
・パーマカルチャーを実践していく
自給自足の第一歩としてまずは自宅の食料自給率を少しずつ上げていく。
今年のうちに無肥料栽培でなにかしら育てる。
・無肥料栽培の概念を取り入れたカードゲーム作る
無肥料栽培で学んだことをカードゲームにして落としこんでカタチとして残したい。
無肥料栽培ならではの喜びや感動、ジレンマなどをゲームに組み込んで、ふだん農に関わらない人でもカードゲームをとおして理解できるようなものを作る。
それでは
土づくりのはじまり
地球のしごと大學の循環農学部に参加してきた。
地球のしごと大學 – これからの 生きる と しごと を創る
農家に産まれて、生きてきて、それとなく農業には関わってきたものの、ふわっと感覚的に知っているだけであって、知識として身についている訳ではなかったので一度基本から学びたいと思い申し込み。
講師の岡本よりたかさんは無肥料栽培という農薬や化学肥料は使わない農法を実践していて、ぼくがやってみたい方法でもあったのでドンピシャだった。
(ちなみに自然栽培や不耕起栽培、オーガニック農法、、、いろいろな農法があることは知っているけど、それぞれの違いが分からない。。。講座期間中に整理しておきたい)
千葉県は佐倉市にて講座スタート
午前中は自己紹介からはじまり、食や遺伝子組み変え作物、種苗法についての動画を見た。(種苗法がこの3月で廃止になるなんて知らなかったー。。)
・・・知っていたことでもいざ映像でみると突きつけられた感じがした。
自分の手で育てた野菜がいちばん安心だなと思うし、そう思えるものを育てていきたいなあああ。
午後は畑へ
まず最初にやったのが踏み込み温床というもの。
これは藁、腐葉土、糠、油かすをいく層にも重ねてミルフィーユ状にして足で踏み込むもの。
すると微生物の力により発酵して温かくなるそうだ。
↑これは気温と湿度を測れる湿温度計。しかも1日のデータを蓄積してあとで確認できるとのこと。便利!
この踏み込み温床の暖かい環境の中、発芽を促すのだそうだ。
続いて種まきへ
ポットの土には前もって仕込んであった踏み込み温床の土のほか、ピートモスやバーミキュライト、もみ殻くん炭などを混ぜ込む。
ポットは10.5cmのサイズを使用。これはポットで発芽させ、ある程度成長したら路地に植え替えできるようにこのサイズを使用するとのこと。
もっと小さいポットや製氷皿のようなポットもあるけど、サイズが小さいと発芽してから路地への植え替えまでもう一度ポットに移し替えなければいけなくなり、植物にとっても土壌中の微生物にとっても負担になるようだ。
今回の講座で気づいたこと
よく農業は土づくりが大事と聞くけれど、無肥料農法での土づくりは土の中の微生物を育てる。この感覚が近いのかなと思った。
土壌中の微生物にとってより良い環境にしてあげること。微生物が活発になることで植物もよく育つ。それが人間が植物のためにできることなのかな。
土から微生物の声が聴こえるようになったらいいものだ。
次回は4月7日、この日蒔いた種たちが発芽しているのか楽しみであーる。
それでは